写真は、第89回ツールドフランス(Tour de France)の第6ステージ・フランスのフォルジュ・レゾー(Forges-les-Eaux)-アランソン(Alencon)間を走る選手たちとウシ(2002年7月12日撮影)
方角がどちらかわからなくなった時は、放牧中のウシに聞くとよいかもしれない。
衛星写真に撮影された世界中のウシやシカを研究していた英国の科学者は、これら動物が、食事や睡眠中に南北の方角に並ぶ傾向があるという事実を発見した。
鳥類やカメ、シャケなどが、移動に地磁気を利用していることはよく知られているが、ウシが体内コンパスを備えていることがわかったのは今回が初めて。
農家の人々は、寒く、晴れた日に、ウシが体を暖めるために太陽に対して垂直に立つことや、また、冬の風が強い日には、風の吹く方向と平行に立つことを知っていた。しかし、快適な天候の日に、ウシが同じ方向を向いて並ぶことについては、農家の知恵も科学的な研究も、明らかにすることができなかった。
研究論文は、「驚くべきことに、世界中で見られるこの現象を牛飼いや牧場主、ハンターらも気づいていなかったようだ」と述べている。「風向きや光の方角は、体の向きを決める共通項として除外することができるので、最も単純な説明は、磁気による整列である」
科学者らは、(米検索大手グーグルの「グーグル・アース」を使用して、世界中の牧草地308か所でウシ8510頭、チェコの241か所でアカシカとノロジカ計2974頭の体の向きを調査した。
ドイツのデュイスブルク・エッセン大学のSabine Begall氏が共同執筆した同研究論文は、米国科学アカデミー紀要の8月25日版に発表された。
牛は方角を知っている? 独大学の衛星写真分析で判明
2008.08.26 Web posted at: 14:14 JST Updated - AP【CNN.co.jp】
ワシントン(AP) 牛には南北の方角を感知する能力があるらしいという研究結果を、ドイツの大学の生物学研究チームが26日の米科学アカデミー紀要に発表した。
ドゥイスブルク・エッセン大学生物学部の研究チームは世界308カ所の牧場の衛星写真を分析し、8510頭の牛が向いている方角を調べた。その結果、牛たちは草をはんでいる時も休んでいる時も、60―70%という高い確率で南北に沿った方角に体を向けていることが分かった。どの大陸でもこの傾向は同じだったという。
理由としては、北極部をS極、南極部をN極とする地球の磁場(地磁気)に沿っていることが考えられると研究チームは指摘。ただし衛星写真では、牛の体が南北方向に沿っていることは分かっても、頭が南と北のどちらを向いているかまでは判別できなかった。
この研究について、米ノースカロライナ大学生物学部のケネス・ローマン氏は「驚くべき発見だ。牛のような大型動物でこのような現象が観測されたことはこれまでなかった。ただし、牛に磁気感覚があると結論付けるためには何らかの実験を行う必要がある」と指摘している。
研究チームは今後、羊、ヤギ、馬などについても調べる方針。
グーグル・アースを使って調査するとは?
今後、こうした手法は増えるかも。

